国内外の建築業界から高い評価を受け続けている槇文彦の作品とは
モダニズム建築、またメタリックで無機質な中にも何か温かさを感じるような建築物、実に個性豊かなものを作り出しているのが槇文彦氏です。
彼の作品はシンプルでモダンな建築物なのですが、ただ無機質ということではなく、その中に一つのコンセプトを強く感じる作品が多いです。
彼が手がけた東京都港区の「スパイラル」という複合文化施設は、吹抜け部分に螺旋スロープがある事でスパイラルという名称がつけられています。
アルミのホイル部分が上部に飛び出したような非常に個性的な形態を持っている津田ホールは、タイル張りによって曲線が作り出されている部分もあり、その対極が実に美しく目を引く建物です。
IAITAクォーターナリオ賞を受賞した幕張メッセ、これも彼の作品です。
北ホールは第40回BCS賞、第5階千葉県建築文化賞を受賞した彼の代表的な作品といっていい作品です。
待合に流れるような平面構成を持っている大分県の火葬場、風の丘斎場は槇文彦氏がモダニズムの作品を作ることにかけて素晴らしい能力を持っていることを証明するような作品です。
メッセージ性のある建物、一目見て目を惹きつけられてしまうような光の使い方など、彼の作品は素人でもはっとしてしまう美しさを持っています。
槇文彦氏の経歴、どういう人物なのか
東京出身の槇文彦氏は、母方の祖父に大手建築会社の会長を務めたという著名人を持ち誕生しました。
1941年に慶応義塾幼稚舎、さらに慶応義塾普通部から慶応義塾大学予科に進みここで中退、建築学を学べる東京大学工学部建築学科に入り卒業します。
丹下健三氏の元、外務省庁舎のコンペを担当、その後アメリカにわたりグランルック美術大学、ハーバード大学大学院建築修士課程を卒業、その後勤務先はスモッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル、セルト・ジャクソン建築設計事務所に勤務します。
セントルイス・ワシントン大学、ハーバード大学で都市デザインを講じ、東京大学教授も務めています。
ヒルサイドテラス、前澤ガーデンハウス、スパイラル、さらに幕張メッセに東京体育館、こうした数々の著名な建物を建築し、その名を世界にとどろかせている方です。
数々の賞を受賞している槇文彦氏
建築家として著名な賞を受賞しその建築物は世界から高い評価を得ています。
1988根にはイスラエルウルフ基金賞を受賞し、1990根にはトーマス・ジェファーソン建築賞を受賞、1993年には国際建築家連合ゴールドメダル、ハーバード大学よりプリンス・オブ・ウェールズ都市デザイン賞も受賞されています。
中でも1993年に受賞したプリツカー賞は建築家にとって最高の名誉となる賞で、彼の作り出す建築物が世界各国から認められ、その建築家としての高い能力を証明するものとなっています。