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サンマルコ寺院

イタリア

サンマルコ寺院はイタリア北東部のヴェネト州の州都ヴェネツィアにあります。
ヴェネツィアは本来は東ローマ帝国の支配下にあったのですが、経済的に自立しており様々な交易で利益を得た非常に裕福な都市でした。

サンマルコ広場はヴェネツィア駅からボートでアドリア海側へ移動してアドリア海へ出る直前にある広場です。
サンマルコ広場は、かのナポレオンに世界でもっとも美しいと言わしめた広場で、サンマルコ寺院をはじめとするビザンチン様式の華麗な建造物が並んでいます。

サンマルコ寺院はサンマルコ広場に面しており、ベネツイアで最も有名な観光スポットでもあります。
バシリカと呼ばれる建築様式で建てられたカトリック教会の中でも権威のある礼拝堂です。
現地語ではバシリカ・ディ・サンマルコです。

サンマルコの遺骸を祭る

サンマルコ寺院は828年にヴェネツィア商人がイスラム系のアッバース朝アレキサンドリアから聖マルコの聖遺物(遺骸)を盗んできたことから、この遺骸を祭るためにたてられました。

キリスト教では、キリストやマリア、そのほかの聖人の遺品や遺骸を信仰の対象として、それを保持することによって人々の信仰を集め教会としての権威を得ることが多いのです。
サンマルコ寺院もサンマルコの遺骸を祭る寺院であったがために人々から信仰されキリスト教会としての権威を得たのです。

その後、この寺院は移転や改築等の経緯を経て現在の位置に建てられました。
現在の建物は着工が1063年で完成は1090年代ですから実に30年近くを要して建築されたのです。

ビザンチン建築の傑作

サンマルコ寺院はビザンティン建築を代表する建造物と言われています。
ビザンチンとは東ローマ帝国の時代に整っていった建築様式です。
キリスト教の普及とともに世界中に普及し初期のイスラムのモスクにも影響を与えています。

サンマルコ寺院は正統的なビザンチン様式で全体としては大きな十字形をしており、十字の中央に半球形のドームをいただく礼拝堂があります。
技術的にはローマ建築でも最も高度な技術を駆使して建てられています。

ヴェネツィアの栄華

サンマルコ寺院の内部は壁や天井は黄金色のモザイクで覆われており、祭壇の後ろにはサンマルコ寺院見物のクライマックスともいえる衝立が輝いています。
ヴェネツィアがいかに繁栄していたかがしのばれる豪華絢爛さです。

パラ・ドーロ

サン・マルコ寺院の祭壇の後ろを飾る衝立をパラ・ドーロと呼びます。
パラ・ドーロは全体としては金色に見えるほど華麗なモザイクが施されビザンチン文化の粋とも評されるものです。

現在はカトリックの最上級の礼拝堂であるため大聖堂と呼ばれるべきなのですが、バシリカという呼称で長らく親しまれていたので現在もバシリカ(寺院)と呼びます。