シドニー・オペラハウスはオーストラリアの南東部、オーストラリア第一の規模をもつ都市、シドニーのランドマークとして有名な建造物です。
シドニーの場所は知らなくても、このオペラハウスの写真はよく知っている人は多いのではないでしょうか?
シドニー市北部ロックス地区、シドニー湾のベネロング・ポイントにオペラハウスがあります。
シドニーの市街地からオペラハウスまで徒歩30分程度、電車の最寄り駅はサーキュラーキー駅です。
シドニー市では無料の巡回バスがあるので、このバスを利用することもできます。
最も有名な劇場
オペラハウスというからにはオペラの公演をするために作られた建物ですが、オペラ以外にも種々のコンサートや講演など様々な催事に使用されています。
実際には、オペラよりもコンサートを主として使用されています。
特徴的な外観
シドニーオペラハウスの構造はシェル構造と呼ばれて貝殻のような美しい曲線ながら、構造的にも丈夫でるので公的な建造物ではよく使われるものです。
シドニーオペラハウスは立地が岬の突端であり、海のそばに立つ建造物として、船の帆や貝殻を連想させるデザインは的を得たものと言えます。
デザインされた時点ではシェル工法は開発されておらず、オペラハウス建設工事関係者は工事の工程から強度に関して試行錯誤したのでした。
その試行錯誤から、生み出されたのが現在のオペラハウスの流麗なデザインであり強度のある構造なのです。
色は遠目では真っ白にみえますが、実際には白と薄ピンク色のタイルをうまく使って美しいオフホワイトを作り出しています。
あの大きな曲線的な建物の外装がタイル貼りだということにも驚かされてしまいます。
建設当初から現在まで継続して丁寧にメンテナンスされて、あの美しい外観を保っているのです。
内装も、この地域の産物である紅色の花こう岩と合板が使用されており、外観の薄ピンク色とバランスのいい配色になっています。
工事期間と費用
シドニー・オペラハウスをデザインしたのは、デンマークの建築家ヨーン・ウツソンです。
複雑なデザインは建設には非常な歳月と費用を擁しました。
当初の予定では1959年着工、1963年完成、予算は700万ドルでした。
しかし、結果的には1973年完成でかかった費用は1億200万ドルでした。
この大幅な期限遅延と予算オーバーはシドニー市にとって大きな恩恵をもたらしたのです。
世界的な観光スポットとなり世界遺産に登録され多数の観光客を引き寄せることになりました。
今やシドニー市だけではなく、オーストラリアのランドマーク的な存在にまでなったのです。
世界遺産は、多くのものが歴史的な経緯をへているもので建造日は古いものでは紀元前になるものもあります。
その中で、シドニー・オペラハウスは完成が1973年の建造物ですから、世界遺産の中で最も新しい建造物です。
そういう意味でも快挙といえるのです。