2×4(ツーバイフォー)工法の特徴
2×4(ツーバイフォー)工法は、木造住宅の建築方法の一つで、北米地域で用いられていたもののことです。
名前の「2×4」というのは使用される木材が「2インチ×4インチ」のサイズであり、英語で「two by four」という名称で呼ばれていたことから、そのまま工法の名称として定着しました。
日本語では「枠組壁工法」と言われることもあります。
ちなみに「2×4」のサイズは乾燥材で38cm×89cmの大きさで、JAS規格として国産木材をカットして販売されています。
現在では日本国産の木材だけでなく2×4の本場であるカナダから直接木材を輸入して使うこともできるようになっています。
なお「2×4」ばかりが有名になっていますが、木材のサイズには「2×6(ツーバイシックス)」や「2×10(ツーバイテン)」など複数のサイズのものがあり、どの木材を使用するかにより工法も異なってきます。
いずれの場合も同じ均一サイズの角材を使用してそこに合板を接合し、それを柱や梁にそのまま使用するというブロックを積み上げるようにして作っていくというところは共通です。
日本においては、木造建築というと在来工法として木材をそのまま柱や梁などとして使用する方法が一般的ですが、それは非常に技術が必要であり、施工者により仕上がりにバラつきがあるという問題がありました。
しかし「2×4工法」では、あらかじめ板や柱の状態にしてから組み合わせるので施工者の技術がそれほど必要なく、平均的に丈夫な建築物にすることができるというメリットがあります。
もともと「2×4工法」は西部開拓時代のアメリカで、十分な技量の大工や木材職人がいない環境でよい住宅をつくるために開発された方法です。
アメリカやカナダの北米地域では木材建造物のうち約9割がこの2×4工法によって作られているといいます。
メリット、デメリット
2×4工法の最大のメリットは、先に説明したように簡単に丈夫な家を作ることができるということです。
また、「面」を先に作ってそれを組み立てることから、地震や台風などの自然災害に対して強いという特徴ももっています。
板が直接組み合わされることにより気密性が高く、空調がききやすい住宅になるでしょう。
しかし、それは反対に気密性が高すぎるために空気の流れが悪くなり、カビやダニが生えやすいという環境になることもあります。
日本は湿気が多い土地であることから、湿地帯などに2×4住宅を作ると空気が淀んでしまうということもあるようです。
設計においても骨組みから作る在来工法と比べて窓や開口部のサイズを自由に変更することが難しく、設計のパターンが限られてしまうという問題点もあります。