プレハブ工法の特徴
よく「プレハブ住宅」といった言葉を使いますが、この「プレハブ」というのは建築工法の一つのことです。
プレハブ工法とは、あらかじめ工場などで建築に必要な部材を生産してそれを現場に持ち込み、そこで組み立てをすることで作るという方法のことを言います。
私達が普段最も多く目にしているのが鉄鋼材や部分的に木材を使用する「ユニット型」のプレハブ住宅でしょう。
主に工事現場やイベント会場など、一時的に居室環境が必要になる場所で使われています。
工事現場などで一時的に住まいとして利用する時のイメージが強いこともあって、「プレハブ=一時使用をする簡易住宅」と思われていたりしますが、実はこのプレハブ住宅にもさまざまな種類があるのです。
まずプレハブ住宅の種類としては「木質系」「鉄鋼系」「ユニット系」「コンクリート系」といったものがあります。
これはプレハブとして工場で製造される主な建材がどういった種類のものであるかによって区別されますが、その材質や組み立て方により、耐久性や居室環境は大きく変化をします。
工事現場や住宅用倉庫で見かけるユニット型のプレハブは華奢な作りをしていることが多いですが、コンクリートを用いたものなどはかなりの強度となり、一般住宅としても十分に使用が可能となっているのです。
一般住宅向けに「プレハブ工法」という名称が使用されることもありますので、「プレハブ=華奢」というイメージは捨てた方がよいでしょう。
メリット、デメリット
プレハブ工法の最大のメリットは、施工者によって仕上がりに違いが出にくく、安定的に住宅を作ることができるということです。
いわば住宅をプラモデルのように組み立てていく方法になりますので、特定の工具があればそれほど技能や力を必要とせずに誰でも簡単に作ることができます。
工期についてもあらかじめ製造されて部品を現場に持ち込んでつくるだけなので、現場作業が非常に短く、あっという間に家の形になります。
災害時の仮設住宅にプレハブ住宅が用いられることが多いのもこのメリットを活かしたもので、不要になったときの撤去作業も通常の建物の解体に比べれば段違いに楽に済むのです。
ただし、全ての部品が工場で生産されることから、設計をして個別の住宅を作るという建築には向きません。
自分で理想に近い住宅を作りたいという人にとっては、あらかじめ決まった形で組み立てることしかできないプレハブ工法はちょっと物足りなく感じてしまうでしょう。
また、ユニット型のプレハブ住宅などは、一般住宅と比べて住宅としての強度がどうしても低くなってしまいます。
耐火性や耐久性もかなり劣ってしまいますので、数十年暮らす住宅というよりは、数ヶ月~数年くらいまでの仮住まいやセカンドハウスとして使用をするのが一般的です。