PC(プレキャストコンクリート)工法の特徴
「PC工法」は、「PCa工法」と言われることもあるコンクリートを用いた建築方法です。
名前の由来は「プレキャストコンクリート」で、コンクリートを用いて作られる「プレキャスト部材」を使うことから、そのように呼ばれています。
ただPC工法にもいくつかのバリエーションがあり、柱梁接合部分を打ちコンクリートにしたり、柱部分は鉄筋コンクリート造にしたりといったように、施工する建物の特性や地理的条件によりいくつかの方法が使い分けをされるのです。
PC工法は建築関係の仕事に就いている人以外にはあまり耳にしない方法ですが、実は日本で一般的に導入されるようになって既に60年以上が経過しています。
もっとも、使用される建築物は橋梁や飛行機の滑走路、港にある海洋構造物、または競技場のような大型施設がほとんどであることから、あまり一般住宅などの広告では見かけることがありません。
しかし、PC工法は安全に長期間使用ができる耐久性のある建造物を作るために欠かせない工法となっているので、特に公共工事を扱う施工者にとってはごく一般的な工法として知られています。
プレキャストコンクリートを用いた建築方法にも「RC工法」と「PC工法」があります。
RC工法は一般向け住宅やアパート・マンションでもよく使用されている、接合部がウェットジョイントを使う方法です。
一方のPC工法というのは、接合部に目地材とプレキャスト部材をPC鋼材を用いることから、短期間で強度の高い建築を行うことができます。
またPC工法を用いた場合、もしひび割れが発生しても荷重がなくなればそのヒビは閉じるようになっているので、すぐに元の状態に戻るという特徴があります。
メリット、デメリット
PC工法を用いるメリットは、安全性が重視される工場生産物に適しているということです。
ただし工業生産品として使われることから、品質が一定で同じものを大量に作ることに適している一方、細かい部分ごとに仕様を変えることが難しいという欠点があります。
そのため、一般住宅のように同じ部品を使用する部分が限定されており、場所によって必要な建材のサイズや形状が異なるという現場には不向きであるというデメリットがあるのです。
一方のRC工法は現場で直接作業を行うようになっていることから、設計により仕様を変化させやすくなっています。
さらにPC工法では接合部分が丈夫な反面で水漏れがしやすいので、一般住宅に使ってしまうと漏水事故が起こりやすくなってしまうでしょう。
大型マンションでは使用されることもあるPC工法ですが、室内など細かい作業が必要になるところにおいては別の方法が使われるのが一般的です。