地鎮祭について

建築

地鎮祭とは

新たに住宅を建築しようとする時、実際の施工に入る前に行われることになるのが「地鎮祭」です。
近所に空き地がある人などは、これから建築が予定されている土地に榊が置かれている様子を見かけたことがあるのではないでしょうか。

まず地鎮祭とは何なのかということから説明をすると、これから建築する建物の安全を願って行われる願掛けのことを言います。
日本においては神社が行うことが多いですが、寺院やキリスト教など他の宗教でも同様の行事を行うことがあります。

由来

日本において最初の地鎮祭が行われたとされているのは持統天皇の時代(645~703年)で、藤原京を作るときにその土地の神様を鎮めるために行ったと伝えられています。

日本では「八百万の神」と言われるように、様々なものに神様が宿るという土着信仰が持たれて来ましたが、特に農作物を生み出す土地に住む神様に対しての信仰はとても篤く持たれていました。
土地に住む神様のことを「産土神(うぶすながみ)」と言い、その神様に守ってもらうことにより、その後作る建物やそこで行うことに災いが起こらないようにする、というふうに考えられてきたのです。

その土地の産土神に挨拶なしに土地の形を変えたりものを作ったりすると、その土地や建物に不幸が起こるとも言われており、あらかじめこれからどういったふうに土地を使うかをその土地の神様に報告するという意味で、この「地鎮祭」は行われています。

もちろんそれをしたからといって必ずしも災害に遭わずにすむというわけではないのですが、それでもその地で生活をしていくときの一つの儀礼として行うようにするのがよいと言えるでしょう。

土地と建物を購入したときに、住宅メーカーでセッティングをしてくれることもあります。
地鎮祭はそのメーカーと施工者でのみ行うということもありますが、できればこれからその土地を使用する本人たちが立ち会った方がよいでしょう。

地鎮祭の流れ

一般的な地鎮祭は神道の方式に従って行われます。

まず土地の四方に竹を立て、そこに注連縄(しめなわ)を巡らせて祭壇を作ります。
祭壇の中には神籬(ひもろぎ)という台座と榊の常緑樹を立て、そこへお供え物となるお米やお酒を備えます。

大きな特徴となっているのが祭壇内に設けられる「忌砂(いみずな)」という円錐状に土や砂を盛ることで、その土を祀って儀式を行うことにより神様への挨拶を済ませるのです。

地鎮祭への参列をする時には特にルールなどはないのですが、やはり神聖な儀式ということもあり、できるだけ礼装を着用するのがマナーとなっています。
より本式な場合は紋付袴や白襟紋付きなどを使用することもありますが、一般的にはフォーマルなスーツ姿にしておけばOKです。