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ファイヤーストップ構造とは

消火栓

ファイヤーストップ構造の特徴

日本は非常に火事の多い国です。

諸外国と異なり、日本では木造住宅を狭いエリア内に密集して建築するという方法が一般的になっており、一旦どこかの家庭で火事が起こったときには近隣の住宅まで延焼してしまう危険があります。
そこで法律でも厳しく耐火については定められているのですが、近年注目の建築技術となっているのが「ファイヤーストップ構造」です。
「ファイヤーストップ構造」というのは、文字通り火事が起こったときに延焼が起こらないように火の流れをとめるためのの建築方法のことを言います。

耐火性が強いことで使用されている工法として「2×4(ツーバイフォー)工法」があります。
2×4工法とは北米から輸入された木材建築の工法で、2×4サイズの木材を組み合わせて一つの「板」を作り、それを組み合わせていくことにより一つの住宅を作っていくものです。

日本で古くから用いられてきた在来工法(木造軸組工法)は、まず柱を立ててからそこに屋根や床といったものをつけていく方法であることから、非常に風通しがよいという特徴があります。
湿気の多い日本の気候にとってはそうした風通しの良さは住宅のメリットなのですが、逆に一旦家の中で火が起こると多くの空気を吸って一気に燃え広がってしまうのが欠点です。

そこで2×4工法の場合、まず「面」を作ってから建築をされることから、気密性が高く空間がきちんと仕切られるようになっています。
そのため耐火性が高く、これを「ファイヤーストップ構造」と呼んでいるのです。

2×4工法を、更に防火性能を高めるために、グラスウールや石膏ボードといった燃えにくい建材を中に埋め込む方法も現場で導入されています。

石膏在は内部に結晶体が含まれていることから、強い熱があたると熱分解が起こり、水蒸気が発生するという特性があります。

メリット、デメリット

ファイヤーストップ構造は特に住宅が密集する市街地で人気が高く、新たに建築される住宅設備として広く推奨されています。
建築時にファイヤーストップ構造の住宅を選ぶことにより、自治体の省令準耐火構造に適法するとして火災保険が半額になるというメリットがあるのです。
火災保険は大切な住宅を守るために入っておきたいサービスですが、古い住宅では保険料そのものが高すぎてなかなか加入ができないということもあります。

ファイヤーストップ構造のデメリットとしては、特殊な建材を用いることにより住宅構造に制限ができてしまったり、建築費が高くなってしまうということです。
ですが万が一の災害を考えた時、やはりできるだけ災害を最小限に抑えることができるファイヤーストップ構造は選んでおきたいところでしょう。